業種別のシステム
飲食店の順番待ちシステム|呼んでも来ない人を減らす仕組み
2026.10.23
行列ができる店で、呼んでも来ない人が出ます。
そのたびに呼び直すので、席の入れ替えが遅れます。
順番待ちをスマホで管理する仕組みを考えてみます。
以下は実在の店の話ではありません。よくある条件を置いたものです。
飲食店の行列で、呼んでも来ない人が出る
カウンター8席、テーブル4卓16席。合わせて24席の店を考えます。
営業は 11:00〜14:30 と 17:30〜21:30。1組の滞在は40分ほどです。
昼と夜のピークには15組ほどが並びます。
並ぶのは、お客様にとって楽しいことではありません。
名前を紙に書いて、そのへんで時間をつぶします。買い物に行く人もいます。
そして順番が来たときに、その人がいません。
flowchart TD
A["紙に名前を書く"] --> B["店の前を離れる"]
B --> C["呼ばれてもいない"]
C --> D["次の組を呼び直す"]
来なかった組の席が、空いたままになるわけではありません。店は次の組を呼びます。
呼び直すたびに、名前を呼んで反応を待ちます。1回で1分から2分かかります。
仮に10組のうち2組が来ないとします。ピークの15組なら3組です。
その3回ぶん、席の入れ替えが遅れます。
列には、来ない人が混じったままです。15組待ちに見えても、本当に来るのは12組かもしれません。
通りがかったお客様は、その15組を見て諦めます。
店の前に並べる人数にも限りがあります。
歩道に長く伸びると、近所から苦情が来ます。
呼んでも来ない組が何組あるのか、数えている店はほとんどありません。紙に名前を書く形だと、数えようがないからです。
仕組みを入れると、まずこれが数えられるようになります。
順番待ちをスマホで管理する
- 店の前に貼ったQRコードを、お客様がスマホで読む
- その場で順番に並ぶ。名前を書く必要はない
- 順番が近づくと、スマホに知らせが届く
- 来たら入店。来なければ順番が消える
flowchart TD
A["QRコードを読む"] --> B["順番に並ぶ"]
B --> C["スマホに知らせ"]
C --> D["入店か 取り消し"]
QRコードは店の前にだけ貼ります。
遠くからでも並べるようにすると、来ない人が増えます。
店まで来た人しか並べない形にすると、これが起きません。
順番待ちシステムを自分の店に合わせて決める
同じ「順番待ち」でも、店によってちょうどいいやり方が違います。
何分で順番が消えるか。
5分がいい店もあれば、10分がいい店もあります。
席数と、1組の滞在時間で決まります。
消えた人をどう扱うか。
いちばん後ろに回すのか、そのまま消すのか。
回転の速い店なら、後ろに回しても数分で戻ってきます。
次の組にどう知らせるか。
1組ずつ知らせる形だと、その人も来なければまた待ちます。
何組かに同時に知らせておけば、早く来た人から入れます。
どの席に何人の組を呼ぶか。
カウンターが2席空いたとします。
そこに4人組を呼んでも入れません。2人組を先に呼ぶ必要があります。
この4つを自分で決められるかどうかが、使い物になるかの分かれ目です。
既製のサービスはやり方が決まっています。店のほうが合わせることになります。
入店の権利を売る
行列を減らすもう一つの手が、順番を待たずに入れる権利を先に売ることです。テーマパークのファストパスと同じ考え方です。
日本では SuiSui というサービスがこれをやっています。店の前のQRコードから、お客様がチケットを買う形です。
チケットは500円から2,000円ほど。平均は1人900円から1,000円あたりです。
値段は、客単価・席数・回転率・客層・待ち時間・待つ場所の6つで決まるとされています。
2026年9月18日の時点で、20都道府県の104店舗が使っています。
このチケットは、料理とは別の売り物です。
仕入れも仕込みも要りません。売れた分がそのまま足されます。
時間帯で値段を変える
混む時間のチケットを高くします。空いている時間は安くするか、無料にします。
すると、急いでいないお客様が空いている時間に流れます。
行列そのものが短くなります。
値段を変えた記録は残ります。
3か月から半年も続ければ、どの曜日のどの時間が混むのかが見えてきます。
そこまで分かれば、シフトを混み方に合わせられます。
想定する画面と知らせ方
| 誰が使うか | 画面 |
|---|---|
| お客様 | 順番に並ぶ/今の順番を見る/取り消す |
| 店 | 今の行列/席を空ける/呼ぶ |
| 管理 | 消える時間/席の組み合わせ/チケットの値段 |
お客様への知らせはスマホに出します。
アプリを入れてもらう形にはしません。QRコードから開いた画面のまま使えるようにします。
外国からのお客様が多い店では、画面の言葉を切り替えられるようにします。
どこを作って、どこを繋ぐか
既にあるサービスを使うところと、新しく作るところを分けます。全部を作る必要はありません。
flowchart TD
A["お客様と店の画面"] --> B["順番の受け付け"]
B --> C["呼び出しの記録"]
B --> D["チケットの販売"]
D --> E["決済サービス"]
C ~~~ D
お金のやり取りは、既にある決済サービスを使います。ここを自分で作る理由はありません。
作るのは、順番の受け付けと、呼び出しの記録と、チケットの販売です。
この3つが、店ごとのやり方の違いが出るところです。
かかるお金のかたちが違う
既製のサービスと自前では、お金の出ていき方が違います。
| 既製のサービス | 自前 | |
|---|---|---|
| 払い方 | 売れた分だけ | 毎月決まった額 |
| 始めるまで | すぐ | 作る期間が要る |
| やり方 | 決まっている | 自分で決める |
SuiSui は初期費用と月額をゼロにして、売れた分から受け取る形を取っています。
TableCheck は予約台帳のサービスです。自分の店のサイトからの予約には、送客の手数料を取らないとしています。
どちらも手数料の率は公開していません(2026年10月時点)。
売れた分だけ払う形は、始めるのが楽です。売れなければ0円です。
毎月決まった額を払う形は、売れても増えません。
どこで入れ替わるかは、店の売上と行列の長さで変わります。まず自分の店の数字を知るところからです。
自前で作ったものも、動かし続ける場所に毎月お金がかかります。大きな額にはなりませんが、ゼロではありません。
まとめ
- 行列ができる店では、呼んでも来ない組が出る。席は空かないが、呼び直すたびに入れ替えが遅れる
- 来ない人が列に混じるので、行列は実際より長く見える。通りがかったお客様はそれを見て諦める
- 何組が来ていないかを数えている店は少ない。仕組みを入れると、まずそこが数えられる
- 店の前のQRコードから並ぶ形にすると、店まで来た人しか並べない
- 何分で消えるか、消えた人をどう扱うか、何組に知らせるか、どの席に誰を呼ぶか。この4つを自分で決められるかが分かれ目
- 待たずに入れる権利を売ると、料理とは別の売上になる
- 混む時間を高く、空く時間を安くすると、お客様が散って行列が短くなる
- 既製のサービスは売れた分だけ払う。自前は毎月決まった額を払う
Entersight では、10品目ほどの小さなネット販売の仕組みを考えています。レトルトや瓶詰めを店の外へ売りたいときに使えるものです。
※ これは想定です。実在の店の事例ではありません。